ジャッジの採点基準についての考察


新採点方式が採用されてから、選手の行った「技」に対しては技術点 = Elements Score で数値化されるようになりましたが、 演技構成点 = Program Components Score は従来の6点満点と同様に、10点満点でジャッジが点を付けます。

ここではジャッジが付けるPCSの点数について考えてみましょう。

新採点の点数の出し方はISU特別規定のRule No.504に規定されていますが、 PCSの各項目に対する着目点は細かく記載されていても、 具体的にどのレベルが何点(何%)に相当するかは書いてありません。
(ダンスではかなり具体的に点数とレベルの具体例が示されているが、シングルではそれがない。)

Rule No.504では、「演技構成の採点のガイドラインはISUコミュニケーションにおいて発表および改定される」と書いてあり、 実際にジャッジセミナー用にISUが作成したビデオでは、実際の演技を例にして「良い例とあまり良くない例」を挙げています。
しかし、それが「何点に相当するか」については全く触れられていません。「平均的=5.0」に相当するのがどのレベルなのかは、ジャッジにすべて任されているのです。(例えば、スケーティングスキルの"Good" の例には歴代チャンピオンの中でも特にスケーティングに定評のある佐藤有香選手やジェフリーバトル選手の全盛期の映像が選ばれており、点を付けるなら9点相当のはずだが、"Good"は7点台の定義)

新採点は「絶対評価」ですので、その大会に参加した他の選手のレベルに無関係に(相対評価ではなく)演技内容そのものの点数を 出す必要があり、個々のジャッジはそれまでの経験で「この位のレベルなら何点」と言う絶対評価基準を持っています。
そして、試合後のミーティングで自分が「その点を出した理由」を他のジャッジへ明確に説明する義務も負っており、 そのような経験を積み重ねることで点数と具体的な演技レベルとの評価基準を国際的にすり合わせています。

地方大会やブロックで下の級から選手権クラスまで沢山の選手を実際に見ていると、ジャッジではなくても各級の 「スケーティングのレベル」は単にリンク1周滑り始めただけでかなり違うのが実感できます。

3級と5級、シニアの7級、そして世界レベルの選手では全くスケーティングのスピードや動きの自由度、滑らかさ、自然さが違うのです。 ジャッジはさらに目が肥えていますので、もっと細かく(4級と5級、その中間レベルまで)絶対的な基準で評価していると思われます。
一般人はTVで流れるトップ選手のレベルだけで比較しがちですが、ジャッジは初級や1級レベルであっても絶対基準に照らして「正しく」点数を付けることを求められます。


●ISUによる、点数の指針

参考として、旧採点での得点の指針と、新採点での点数の指針を表で比較してみました。
新採点での記載は2010年版と2014年版では少し異なるので両方載せています。
(2018/6月に、outstandingは9.00~10.00から10.00のみに、9.00~9.75はexcellentに変更された。)

表では、very poor, poor, good, very good 等、同じ表現が見られますが、満点の中間である旧採点の3.0と新採点の5.00は実は全く違うレベルが設定されています。(この後で説明)

旧採点 での評価新採点 (2010 ISU) での評価新採点 (2014 ISU)
※段階が少し変わった
0.0 - not skated滑走しない極めて悪い .0.25~0.75 extremely poor
1.0 - very poor, とても悪い1.00 - very poor, とても悪い1.00~1.75 very poor,
2.0 - poor, 悪い2.00 - poor, 悪い2.00~2.75 poor,
3.0 - mediocre平凡な3.00 - weak, 劣っている3.00~3.75 weak,
4.0 - good, 良い4.00 - fair, まずまずの4.00~4.75 fair,
5.0 - very good, とても良い5.00 - average,平均5.00~5.75 average,
6.0 - outstanding完全無欠6.00 - above average平均以上6.00~6.75 above average
7.00 - good, 良い7.00~7.75 good,
8.00 - verygood,とても良い8.00~8.75 very good,
9.00 - superior,傑出している9.00~9.75 excellent,
10.00 - outstanding完全無欠10.00  outstanding



●日本のバッジテスト合格基準による、級と点数の比較

「絶対レベル」と点数の相関関係を定量的な尺度で見るために、日本のバッジテストの級と、 各級の合格基準点を使って比較します。
いずれもフリーの合格基準なので、フリーがない無級~1級はそれまでのカーブから想定した延長線を引きました。 ※無級はテスト級ではありませんが、初級手前のレベルと想定。なお、"(世界)"の点は、世界選手権の最終グループに入るレベルを想定しています。

バッジテストが新採点対応になった当初(2008年)は赤いカーブの点数でしたが、その後国際大会での点数の出方 (トリプルがクリーンに入ってやっと4点台が出る)に合わせる為か、現在のカーブに修正されています。

日本での
旧採点
(6.0)
新採点
(当初)
新採点
(現在)
(無級)※1.00.750.50
(初級)1.5 1.00 0.75
(1級)2.0 1.50 1.00
2級2.5 2.00 1.50
3級3.0 2.50 2.00
4級3.5 3.25 2.50
5級4.0 4.00 3.00
6級4.5 4.75 3.75
7級4.8 5.50 4.25
8級5.5 6.506.50
(世界)5.8 9.00 9.00
満点6.0 10.00 10.00
旧採点では、中間の3.0は3級合格ラインですから、シングルのアクセルとキャメルスピンが何とかできる 実力レベル。(詳しい技のレベルは、下の「日本の級と競技レベル絶対値との関係式」の欄で説明。)

新採点の5.00はトリプル2種が要求される7級合格ラインよりずっと上なので、今で言えば全日本出場レベル。 新採点での3級は3.0よりも低い2.00相当なのです。

つまり、旧採点はビギナーも含めた地方大会の運営に便利な点数配分(5点以上はあまりいない)、 新採点は逆に5級以下の選手はほとんどいない国際大会の運営に便利な点数配分になっている。


●6.0→10点満点に変更された理由の推測

これは、旧採点での点数飽和対策が最大の目的と思われます。
旧6.0では、国際大会レベルでは中位以上で5.0-6.0の実質10段階しかなく、ワールド表彰台レベルでは 6.0の数を競う状態になっていました。(最終グループは皆5.8以上)

新採点では中位以上でも5.00-10.00の20段階に増え、点数をつけやすくなった。
つまり、全体のスケールを6→10に広げたのではなく、5.0以上の部分だけを引き延ばして国際試合レベル の点数を付けやすくするのが狙いなのでしょう。


●新採点での下位クラスの点数の出し方(自由度)の弊害

グラフを見ると、ダブルルッツまでの5種ジャンプに相当する5級以下の基準点は、従来と同じではなくて、 逆にほぼ1.0低くなっています。
3級では2.00なので、地方大会のロークラス(2級までの試合)では実質0.25-2.00の8段階しか使えなく なってしまいました。(従来は0.1-3.0の30段階が使えた)

新採点は2級以下はゴミ扱いも同然で、3級未満の試合はあまり配慮されていないのです。
(2級が1.50、3級が2.00なのでCクラスの試合では実質1.50/1.75/2.00の3択しかない!)
さらにCクラス以下は5コンポーネンツではなくて3項目での評価なので同点が多数発生。
まあ、新採点は同点でも構わないので、大して違わないレベルはジャッジが悩まないで済むように 意図的に点数の刻みを荒くしているのかも知れません。

点数を出す側としては、0.25ではなくて0.1刻みに変更して欲しい気もしますが・・。

※採点基準変更によるジャッジの点数の混乱
 地方大会の点数を見ると、明らかに1級レベルに達しない(ジャンプはまともに飛べず、スピンも十分回れなくて他のジャッジは0.75を付けている) のに、1.50(ルッツまで飛べる2級相当)の点を出しているジャッジがいます。

多分、従来の6.0感覚のままで点数を出しているのでしょう。
永年で身に着けた点数感覚はすぐには変えられないので、ある意味では仕方がない。

新採点に対応するには、5級以下の場合は旧採点から単純に1を引けば良いのです。
(2点以下は1点引くとなくなってしまうので、単に半分にする)


●日本の級と競技レベル絶対値との関係式

バッジテストの各級での必須エレメンツ、フリー演技合格点 (PCS) 一覧

2016年
テスト級
フリー
PCS
ステップ(要求レベル)スピンジャンプ
 初級 (0.75)フォア、バックで片足のカーブの
エッジに乗れる
簡単なターンが出来る、Stopができる
フォア、バックのクロスを音楽に合わせて
コントロールできる
(両足で何とか
 3回回る)
(ジャンプの
 まねが出来る)
 1級 (1.00)フォアのチェンジができる
スリーターンを片足で押さえられる
バッククロスからフォアへ出て
片足カーブに乗れる
片足でスピンが
5回以上回る
ワルツ(W)ジャンプ
トウループ
サルコウ
1+1のコンビネーション
 2級1.50スリーターンで肩を止められる
バックからのスリーが片足で全部できる
BO3+Moを両方向音に合わせられる
バックスクラッチ
シットスピンが
出来る
ループ
フリップ
ルッツ
2級ジャンプのコンビ
 3級2.00バックのチェンジ、1footスネークで
氷を押して加速できる
ブラケットターンができる
キャメルスピン
任意のフライングスピン
キャメル、シットの
コンビネーションスピン
1A
任意のダブル
2+1
 4級2.50チョクトウ、トウステップ、
ツイズル(F/B)等の
難しいターンが出来る
S or Csp1
(Layback orSide)
CCoSp (3姿勢)
2T, 2S, 2Lo,
2+2
 5級3.00カウンターやロッカー、ループ等の
複雑なステップの組合せが出来る
FCsp
FSsp
CCosp1
2F,2Lz (+step)
2+2 (ForLz)
 6級3.75 -
(テストで6級相当かを総合判定)
Fsp、CCoSp
(足替え後に3姿勢)
ISU-Jr課題
2A, 3+2
(2+2+2),
step+2
ISU-Jr課題
 7級4.25 -
(特別テストで7級相当かを総合判定)
Fsp2,
CCosp3
2A, step+3,
3+2,
(2種トリプル)
 8級6.50 -
(特別テストで8級相当かを総合判定)
Fsp3(2種)
Cosp3
3A+4種トリプル
(4種トリプル)
3+3 (3+2)

PCS各項目の評価着目点にエレメンツ(ジャンプやスピン)の要素はありませんが、バッジテストの総合級とスケーティングスキルは密接な関係があり、総合級からPCSを類推するのは可能であると思います。

(個々に苦手な分野はあるにしても、ダブルジャンプをきれいに跳ぶ人がエッジのカーブやターンの押さえが出来ていない事はありえないし、 逆に3級のスケーティングが出来るのに1級のジャンプ・スピンが練習しても全く出来ない事もありえない。
但し、高難度のジャンプに関しては 「ジャンプだけはすごいが滑りは・・・」と言う人も時々いる。このような場合はTES先行でPCSが後から付いてくる事になる。)


●バッジテスト合格ラインでのフリー採点の試算

合格ラインの話が出たところで、「テスト合格ぎりぎりの実力では、試合で何点になるのだろう?」という興味が湧いてきたので、試算してみました。 実際の試合では、その級はすでに合格していて実力はもっと上の場合が多いので、点数はこれより高いのが普通です。
点数計算の前に、各クラスでのフリーに入れなければならない必須要素を下表にまとめます。

※2級以下は日ス連の「ロークラスガイドライン」に準じますが、開催場所によって規定が違ったりするので、同じクラスでも得点を単純に比較することは出来ません。
(都連では1級まではジャンプはシングルのみに制限、2015/4月よりCクラスは1分でスピンも1つだけで実施していますし、その他地域では初級、無級でも1級と同じ要素数の所もある。)

・フリー要素の各クラス必須内容一覧表
クラスPCS係数ステップ要素スピン必須要素ジャンプ要素
F(無級)
 1分
3項目×1.0なし単姿勢x1(F、足替可)
 コンビ不可
 LevelB判定
3回、3種必須
W可、コンビ不可
E(初級)
 1分
3項目×1.2なし単姿勢x1(F、足替可)
 コンビ不可
 LevelB判定
4回、1st4種必須
W可、コンビ1回まで
3連不可
D(1級)
 1分
3項目×1.51つ
(LevelB判定)
単姿勢x1(F、足替可)
 コンビ不可
 LevelB判定
4回、1st4種必須
W不可、コンビ1回まで
3連不可
C(2級)
 2分
3項目×1.81つ
(LevelB判定)
単姿勢x1
Cosp x1
 (共にF、足替可)
 LevelB判定
4回、1st4種必須
A必須、W不可
コンビ2回まで、3連不可
同じ2nd不可、同種2回まで
Nv-B男子
(3級以上)
 3分
 ※注1
5項目×2.0Chsqを1つ 任意のFsp x1
 (単姿勢、足替なし)
CorSスピン(Fなし)x1
 (Fと別種、足替任意)
Cospx1(Fなし、足替任意)
6回※注1 、A必須
1stにF, Lz必須
コンビ2回まで、3連OK
(後半x1.1等、ISUに従う)
Nv-A男子
(4級以上)
 3.5分
 ※注1
5項目×2.0Stepを1つ 任意のFsp x1
 (単姿勢、足替なし)
CorSスピン(Fなし)x1
 (Fと別種、足替任意)
Cospx1(Fなし、足替任意)
7回※注1 、A必須
1stにF,Lz,Lo必須
コンビ3回※注1 まで、3連OK
(後半x1.1等、ISUに従う)
Nv-B女子
(5級以上)
 2.5分
5項目×1.6Chsqを1つ 任意のFsp x1
 (単姿勢、足替なし)
LorCorSスピン(Fなし)x1
 (Fと別種、足替任意)
Cospx1(Fなし、足替任意)
5回、A必須
1stにF, Lz必須
コンビ2回まで、3連OK
(後半x1.1等、ISUに従う)
Nv-A女子
(6級以上)
 3分
5項目×1.6Stepを1つ 任意のFsp x1
 (単姿勢、足替なし)
CorSスピン(Fなし)x1
 (Fと別種、足替任意)
Cospx1(Fなし、足替任意)
6回、A必須
1stにF,Lz,Lp必須
コンビ3回※注1 まで、3連OK
(後半x1.1等、ISUに従う)
Jr女子
 ISU規定
 3.5分
5項目×1.6Stepを1つ フライングスピン x1
単姿勢スピンx1
コンビネーションスピン x1
 (異なる記号必須)
7回、A必須、
コンビ3回まで、3連OK
(後半x1.1等、ISUに従う)
Jr男子
 ISU規定
 4分
 ※注2
5項目×2.0Stepを1つ フライングスピン x1
単姿勢スピンx1
コンビネーションスピン x1
 (異なる記号必須)
8回※注2 、A必須、
コンビ3回まで、3連OK
(後半x1.1等、ISUに従う)
Sr女子
 ISU規定
 4分
5項目×1.6Stepを1つ
Chsqを1つ
フライングスピン x1
単姿勢スピンx1
コンビネーションスピン x1
 (異なる記号必須)
7回、A必須、
コンビ3回まで、3連OK
(後半x1.1等、ISUに従う)
Sr男子
 ISU規定
 4.5分
 ※注2
5項目×2.0Stepを1つ
Chsqを1つ
フライングスピン x1
単姿勢スピンx1
コンビネーションスピン x1
 (異なる記号必須)
8回※注2 、A必須、
コンビ3回まで、3連OK
(後半x1.1等、ISUに従う)

※注1 :2017-18シーズンより、ノービス規定が変わって男子も女子と同じ滑走時間(A:3分、B:2.5分)になりました。
 それに伴い男子も女子と同じジャンプ回数に変更、さらにAではコンビネーションが3→2回になったので男子Aでは1st+2ndの2つジャンプが減ってしまった。 (男子Bでは1stの1つ、女子Aでは2ndの1つが減った。女子Bは変更なし。細かい所では、Nv-Aの1stジャンプにLo必須になったのは2017から。 それまでは1stにAが必須だった。)

※注2 :2018-19シーズンより規定が変わって、男子も女子と同じ滑走時間(Jr:3.5分、Sr:4分)になりました。
 それに伴いジャンプ回数も女子と同じ7回に変更。さらにクワドの繰り返しは1種のみ、後半加点はSPで1つ、FSで3つまで。 GOE加点も±5になり、点数幅も一律±50%に変更されたので、ジュニア以上の試算例も更新しました。

なお、国内ノービスクラスの規定も2018-19シーズンより同様に後半ジャンプの加点が2つまでに制限され、2Aの繰り返しはトリプルの2種繰り返し制限に含めなくなった。(以前の計算例でNv-Aでトリプル2種と2Aの3つを繰り返す誤りがあったのは今回修正しました。)


以上の規定を踏まえて、各級のバッジテスト合格ラインで試合に出た場合の得点を試算します。
さらに、現実的な範囲での最高レベル、さらには理論限界点数の試算も行います。


・無級の場合

無級の想定レベルは、初級に受かる前の状態(バッククロスまでは何とかできるが、片足ではフラットでカーブは不十分)とします。
現実的な高レベルはアクセルが出来る3級レベル、理論限界点数は1分フリーでPCS満点はさすがに出せないので、7級レベルの帰国子女が2Aまでの要素を完璧に実施した場合を想定。

無級の点数試算(改定前)
Fクラス
無級
無級の想定平均レベル3級レベル、GOE+1の場合2Aまででの最大加点時
7級の実力, PCS=5.0
1分 要素BVGOE合計要素BVGOE合計要素BVGOE合計
spin1UspB1.0 -0.6 0.40 CSspB1.6 0.5 2.10 FSspB1.7 1.5 3.20
J1W0.3 -0.1 0.20 1A1.1 0.2 1.30 2A3.3 1.5 4.80
J21T<<0.0 0.0 0.00 1Lz0.6 0.2 0.80 2Lz2.1 0.9 3.00
J31S<0.3 -0.2 0.10 1F0.5 0.2 0.70 2F1.9 0.9 2.80
PCS3項目0.75 x1.02.25 3項目2.00x1.06.003項目5.00x1.015.00
Total2.95 10.90 28.80

本当の無級レベルではエレメンツはほとんど点にならない(スピンが3回回れば一番の得点源)ので、いかにスケーティングを見せてPCSで1.00以上を狙うかが勝負になります。
歴代最高点で優勝するレベルでは、単にテストを受けていなくて3級相当の実力も有り得るのでGOE+1をもらえばエレメンツの合計も5点近くになる。それでもPCSで稼げる点の方がまだまだ大きい。
PCS=5.00での理論限界値は、ジャンプ数が少ないので全部GOE+3をもらってもそれほど大きくはない。(エレメンツでは合計13.80が限界)

無級の点数試算(2018-19シーズン改定後)
Fクラス
無級
無級の想定平均レベル3級レベル、GOE+1の場合2Aまででの最大加点時
7級の実力, PCS=5.0
1分 要素BVGOE合計要素BVGOE合計要素BVGOE合計
spin1UspB1.0 -0.20 0.80 CSspB1.6 0.16 1.76 FSspB1.7 0.85 2.55
J1W0.3 -0.03 0.27 1A1.1 0.11 1.21 2A3.3 1.65 4.95
J21T<<0.0 0.00 0.00 1Lz0.6 0.06 0.66 2Lz2.1 1.05 3.15
J31S<0.3 -0.09 0.21 1F0.5 0.05 0.55 2F1.8 0.90 2.70
PCS3項目0.75 x1.02.25 3項目2.00x1.06.003項目5.00x1.015.00
Total3.53 10.18 28.35

GOEが±5になると、減点幅が小さくなるので無級レベルでは点数は上がる。
加点幅も減るのでGOE+1では逆に減ってしまう。GOE+5の最大加点では、ジャンプの点は変わらないがスピンの加点が減る。 全体的には大きな変化ではない。


・初級の場合

初級のテスト課題にジャンプやスピンはないので、エレメンツの点数は無級と大差ありません。
規定では4種類のジャンプが必要なので、2級のジャンプ(Lo, F, Lz)のどれか1つは出来なくても入れなくてはならない!とても厳しいルールです。

初級の点数試算(改定前)
Eクラス
初級
バッジテスト合格レベル3級レベル、GOE+1の場合2Aまででの最大加点時
7級の実力, PCS=5.0
1分 要素BVGOE合計要素BVGOE合計要素BVGOE合計
spin1UspB1.0 -0.3 0.70 CSspB1.6 0.5 2.10 FSspB1.7 1.5 3.20
J1W0.3 0.0 0.30 1Lo0.4 0.2 0.60 2A3.3 1.5 4.80
J21T<0.3 -0.2 0.10  -1A0.88 0.88  +2Lo1.8 1.80
 +1T<0.3 0.30 1Lz0.6 0.2 0.80 2Lz2.1 0.9 3.00
J31S<0.3 -0.2 0.10 1F0.5 0.2 0.70 2F1.9 0.9 2.80
J41Lo<<0.0 0.0 0.00 1A1.1 0.2 1.30 2Lo1.8 0.9 2.70
PCS3項目1.00x1.23.60 3項目2.00x1.27.203項目5.00x1.218.00
Total5.10 13.58 36.30

1Aが跳べるレベルでこのクラスに出た場合は、ジャンプの数がコンビも含めて2個増えるので質の良いシングルを跳べばそこそこ点になる。まずは10点を超えるかどうかで、それ以上はPCSとGOEの勝負。
PCS=5.00での理論限界値も、無級と大した差はない。


初級の点数試算(2018-19シーズン改定後)
Eクラス
初級
バッジテスト合格レベル3級レベル、GOE+1の場合2Aまででの最大加点時
7級の実力, PCS=5.0
1分 要素BVGOE合計要素BVGOE合計要素BVGOE合計
spin1UspB1.0 -0.10 0.90 CSspB1.6 0.16 1.76 FSspB1.7 0.85 2.55
J1W0.3 0.00 0.30 1Lo0.4 0.40 2A3.3 1.65 4.95
J21T<0.3 -0.12 0.18  -1A0.88 0.11 0.99  +2Lo1.7 1.70
 +1T<0.3 0.30 1Lz0.6 0.06 0.66 2Lz2.1 1.05 3.15
J31S<0.3 -0.12 0.18 1F0.5 0.05 0.55 2F1.8 0.90 2.70
J41Lo<<0.0 0.00 0.00 1A1.1 0.11 1.21 2Lo1.7 0.85 2.55
PCS3項目1.00x1.23.60 3項目2.00x1.27.203項目5.00x1.218.00
Total5.46 12.77 35.60

初級でもGOEマイナスでは減点が減るので点数は残る。逆に加点幅は渋くなるのでGOE+1では減ってしまう。 GOE+5の最大加点時では、スピンの加点が0.65減った影響が最大。


・1級の場合

ここまでは1分フリーのクラス。Aは必須でないので点にならないワルツジャンプは省略できる。
ジャンプは4種必須なので、2級のジャンプ(Lo, F, Lz)から2つは入れる必要があります。

1級の点数試算(改定前)
Dクラス
1級
バッジテスト合格レベル4級レベル、GOE+1の場合2Aまででの最大加点時
7級の実力, PCS=5.0
1分 要素BVGOE合計要素BVGOE合計要素BVGOE合計
step1levelB1.5 -0.3 1.20 levelB1.5 0.5 2.00 levelB1.5 1.5 3.00
spin1UspB1.0 0.0 1.00 FSspB1.7 0.5 2.20 FSspB1.7 1.5 3.20
J11T0.4 0.0 0.40 1A1.1 1.10 2A3.3 1.5 4.80
 +1T0.4 0.40  +2T1.3 0.2 1.50  +2Lo1.8 2.10
J21S0.4 0.0 0.40 2Lo1.8 0.3 2.10 2Lz2.1 0.9 3.00
J31Lo0.5 -0.1 0.40 2T1.3 0.2 1.50 2F1.9 0.9 2.80
J41F<0.4 -0.2 0.20 2S1.3 0.2 1.50 2Lo1.8 0.9 2.70
PCS3項目1.25 x1.55.63 3項目2.50x1.511.25 3項目5.00x1.522.50
Total9.63 23.15 44.10

1級では、まずは2級のジャンプのGOEマイナスを抑えて、スピンとステップでGOEを得ることが10点を超すキーとなります。
優勝を狙うには難しいジャンプが何本決まるかが勝負となり、4級レベル(PCS=2.50)で3種ダブルのGOE+1では23点、7級レベル(PCS=5.00)での限界は44.10です。


1級の点数試算(2018-19シーズン改定後)
Dクラス
1級
バッジテスト合格レベル4級レベル、GOE+1の場合2Aまででの最大加点時
7級の実力, PCS=5.0
1分 要素BVGOE合計要素BVGOE合計要素BVGOE合計
step1levelB1.5 -0.30 1.20 levelB1.5 0.15 1.65 levelB1.5 0.75 2.25
spin1UspB1.0 0.00 1.00 FSspB1.7 0.17 1.87 FSspB1.7 0.85 2.55
J11T0.4 0.00 0.40 1A1.1 0.11 1.21 2A3.3 1.65 4.95
 +1T0.4 0.40  +2T1.3 0.13 1.43  +2Lo1.7 0.85 2.55
J21S0.4 0.00 0.40 2Lo1.7 0.17 1.87 2Lz2.1 1.05 3.15
J31Lo0.5 -0.05 0.45 2T1.3 0.13 1.43 2F1.8 0.90 2.70
J41F<0.38 -0.15 0.23 2S1.3 0.13 1.43 2Lo1.7 0.85 2.55
PCS3項目1.25 x1.55.63 3項目2.50x1.511.25 3項目5.00x1.522.50
Total9.71 22.14 43.20

改正後の傾向は同じで、1級レベルではGOE-をなくせば10点に届く。
GOE+5の最大加点時では、スピンの加点が減った影響がとても大きい。


・2級の場合

このクラスも理論的にはクワドも可能ですが、2級でトリプル以上はシャレにならないので理論Maxは2AまでのエレメンツをGOE+3で実施した場合を想定します。
アクセルは3級課題なので2級では跳べないはずですが、試合では1A必須なのでキックアウトを防ぐためには跳べなくても入れなくてはならない。

2級の点数試算(改定前)
Cクラス
2級
バッジテスト合格レベル
(GOEは合計-3)
5級レベル、GOE+1の場合2Aまででの最大加点時
7級の実力, PCS=5.0
2分 要素BVGOE合計要素BVGOE合計要素BVGOE合計
step1levelB1.5 0.0 1.50 levelB1.5 0.5 2.00 levelB1.5 1.5 3.00
spin1SspB1.1 0.0 1.10 FSspB1.7 0.5 2.20 FSspB1.7 1.5 3.20
spin2Co.spB1.5 -0.3 1.20 CCospB1.7 0.5 2.20 CCospB1.7 1.5 3.20
J11A<<0.0 0.00 1A1.1 0.3 1.40 2A3.3 1.5 4.80
J21Lz0.6 -0.1 0.50  +2Lo1.8 1.80  +2Lo1.8 1.80
J31F0.5 0.0 0.50 2Lz2.1 0.3 2.40 2Lz2.1 0.9 3.00
 +1T0.4 0.40 2F1.9 0.3 2.20 2F1.9 0.9 2.80
J41Lo0.5 0.0 0.50 2Lo1.8 0.3 2.10 2Lo1.441.44
 +1Lo0.5 0.50  +2T1.3 1.30  -2A2.641.54.14
PCS3項目1.50x1.88.10 3項目3.00x1.816.203項目5.00x1.827.00
Total14.30 33.80 54.38

2級では1Aが跳べなくてもスピンとステップで点を稼ぎ、PCSを1.50以上出せば何とか15点になります。
ダブルジャンプが余裕で入り、GOE+1が出せる5級レベルの実力なら33点を超え、7級レベル(PCS=5.00)での限界はトリプルなしでは54.38です。


2級の点数試算(2018-19シーズン改定後)
Cクラス
2級
バッジテスト合格レベル
(GOEは合計-3)
5級レベル、GOE+1の場合2Aまででの最大加点時
7級の実力, PCS=5.0
2分 要素BVGOE合計要素BVGOE合計要素BVGOE合計
step1levelB1.5 0.00 1.50 levelB1.5 0.15 1.65 levelB1.5 0.75 2.25
spin1SspB1.1 0.00 1.10 FSspB1.7 0.17 1.87 FSspB1.7 0.85 2.55
spin2Co.spB1.5 -0.30 1.20 CCospB1.7 0.17 1.87 CCospB1.7 0.85 2.55
J11A<<0.0 0.00 1A1.1 1.10 2A3.3 1.65 4.95
J21Lz0.6 -0.12 0.48  +2Lo1.7 0.17 1.87  +2Lo1.7 1.70
J31F0.5 -0.05 0.45 2Lz2.1 0.21 2.31 2Lz2.1 1.05 3.15
 +1T0.4 0.40 2F1.8 0.18 1.98 2F1.8 0.90 2.70
J41Lo0.5 0.00 0.50 2Lo1.7 0.17 1.87 2Lo1.36 1.36
 +1Lo0.5 0.50  +2T1.3 1.30  -2A2.64 1.65 4.29
PCS3項目1.50x1.88.10 3項目3.00x1.816.203項目5.00x1.827.00
Total14.23 32.02 52.50

2級レベルではGOE合計-3では点数は変わらない。5級レベルではGOE+1の加点幅減少で得点低下。
GOE+5の最大加点時では、スピン・ステップの加点幅が大きく減っている。(levelBでは点が出ない)


・男子ノービスB(3級以上)の場合

このクラスからPCS評価は5項目になり、スピン、ステップもLevel4まで出るようになります(但し、Nv-Bのステップはコレオ)。後半ジャンプのx1.1倍も適用。
男子では3級合格でノービスBに出場できますが、年齢区分なので7級の実力でも普通に試合に出てきます。よって、ここからは理論MaxはPCS=10.00で計算。

男子ノービスBの点数試算(改定前)
男子
Nv-B
3級バッジテスト合格レベル
(GOEは合計-4)
3Sまで2種トリプル
(GOE+1, PCS5.0)
3Aなしでの理論最大Max値
3分  要素BVGOE後半合計要素BVGOE後半合計要素BVGOE後半合計
step1ChSq2.0 0.0 2.00 ChSq2.0 0.7 2.70 ChSq2.0 2.1 4.10
spin1FCspB1.6 -0.3 1.30 FCsp43.2 0.5 3.70 FCsp43.2 1.5 4.70
spin2CSspB1.6 0.0 1.60 CSsp43.0 0.5 3.50 CSsp43.0 1.5 4.50
spin3CospB1.5 0.0 1.50 CCosp43.5 0.5 4.00 CCosp43.5 1.5 5.00
J12T1.3 -0.4 0.90 3T4.3 0.7 5.00 3Lz6.0 2.1 0.60 8.70
 +1T0.4 0.40 3S4.4 0.7 5.10  +3T4.3 0.43 4.73
J22T1.3 -0.2 1.10  +2T1.3 1.30  +2Lo1.8 0.18 1.98
J31A1.1 0.0 1.10  +2Lo1.8 1.80 2A3.3 0.33 3.63
J41Lz0.6 0.0 0.60 3T4.3 0.7 5.00  +3Lo5.1 2.1 0.51 7.71
J51F0.5 0.0 0.05 0.55  +2Lo1.8 1.80 3Lz6.0 2.1 0.60 8.70
 +1Lo0.5 0.05 0.55 2A3.3 0.5 0.33 4.13 3F5.3 2.1 0.53 7.93
 +1Lo0.5 0.05 0.55 2Lz2.1 0.3 0.21 2.61 3Lo5.1 1.5 0.51 7.11
J61F0.5 0.0 0.05 0.55 2F1.9 0.3 0.19 2.39 3S4.4 2.1 0.44 6.94
PCS5項目2.0 x2.0x520.0 5項目5.0 x2.0x550.0 5項目10.0 x2.0x5100.0
Total 点数32.70 93.03 175.73

3級合格レベルでは、ダブルジャンプとフライングスピンの減点を最小に抑えて他の取りこぼしがなければ33点近くになります。
トリプル2種がGOE+で入る7級以上レベル(PCS=5.00)でも、Nv-BではジャンプにF, Lzが必須なのでダブルを跳ばなくてはならず、3F, 3Lzが入らないと100点を超えるのは難しい。
3Aなしの7トリプルでの理論限界は全て満点で175.73ですが、現実的には3A以上が入らないとPCSに8.00以上は付けにくい。

2017-18シーズンより男子Nv-Bフリーは女子と同じ2.5分となり、ジャンプ一つ(表のJ6)がなくなりますので、J6の点(理論限界では6.94点)が減ります。


男子ノービスBの点数試算(2018-19シーズン改定後)
男子
Nv-B
3級バッジテスト合格レベル
(GOEは合計-6)
3Sまで2種トリプル
(GOE+1, PCS5.0)
3Aなしでの理論最大Max値
2.5分  要素BVGOE後半合計要素BVGOE後半合計要素BVGOE後半合計
step1ChSq3.0 0.00 3.00 ChSq3.0 0.50 3.50 ChSq3.0 2.50 5.50
spin1FCspB1.6 -0.16 1.44 FCsp43.2 0.32 3.52 FCsp43.2 1.60 4.80
spin2CSspB1.6 0.00 1.60 CSsp43.0 0.30 3.30 CSsp43.0 1.50 4.50
spin3CospB1.5 0.00 1.50 CCosp43.5 0.35 3.85 CCosp43.5 1.75 5.25
J12T1.3 -0.26 1.04 3S4.3 0.43 4.73 3Lz5.9 2.95 8.85
 +1T0.4 0.40 3S4.3 0.43 4.73 3F5.3 2.65 7.95
J22T1.3 -0.26 1.04  +2Lo1.7 1.70 3S4.3 2.15 6.45
J31A1.1 -0.11 0.99  +2Lo1.7 1.70 3Lz5.9 2.95 0.59 9.44
J41Lz0.6 0.00 0.06 0.66 3T4.2 0.42 4.62  +3Lo4.9 0.49 5.39
J51F0.5 0.00 0.05 0.55 2Lz2.1 0.21 0.21 2.52  +3T4.2 2.10 0.42 6.72
+1Lo0.5 0.05 0.55 2F1.44 0.14 1.58 2A3.3 0.33 3.63
+1Lo0.5 0.05 0.55  -2A2.64 0.33 0.27 3.24  +3Lo4.9 2.45 0.49 7.84
PCS5項目2.0 x2.0x520.0 5項目5.0 x2.0x550.0 5項目10.0 x2.0x5100.0
Total 点数33.32 88.99 176.32

コレオのBVが上がったので、エレメンツのBV合計は上がっている。
7級相当の2種3トリプルではGOE+1の加点が渋くなったのに加え、ジャンプが1つ減ったのでトリプルを入れるための2Aシーケンスでx0.8のロスが大きく、かなり点が減る。(以前とは4点くらいは差が付く)
GOE+5の最大加点時ではジャンプの+2Lo分の2点減少をLz,Fの加点増加で補い、コレオの+1.4が一番の加点要素で点数UPしています。
なお、2020年からNv-Bではジャンプの後半加点がなくなり、1点ほどのロスが出る場合がある。


・男子ノービスA(4級以上)の場合

ベースは4級なので、ダブルが3種入るレベルが基準。理論最大は、クワドなしの条件で計算しました。

男子ノービスAの点数試算(改定前)
男子
Nv-A
4級バッジテスト合格レベル
(PCS=2.50, GOE計-4)
3Aなし、7トリプル
(PCS=7.00, GOE+2)
3A2回、クワドなしでの
理論最大Max値
3.5分  要素BVGOE後半合計要素BVGOE後半合計要素BVGOE後半合計
step1level11.8 0.0 1.80 level43.9 1.4 5.30 level43.9 2.1 6.00
spin1FCspB1.6 -0.3 1.30 FCsp43.2 1.0 4.20 FCsp43.2 1.5 4.70
spin2CSsp11.9 0.5 2.40 CSsp43.0 1.0 4.00 CSsp43.0 1.5 4.50
spin3CCospB1.7 0.0 1.70 CCosp43.5 1.0 4.50 CCosp43.5 1.5 5.00
J12T1.3 -0.4 0.90 3Lz6.0 1.4 7.4 3A8.5 3.0 0.85 12.35
 +2T1.3 1.30  +3T4.3 4.30  +3T4.3 0.43 4.73
J22Lo1.8 -0.3 1.50  +2Lo1.8 1.80  +2Lo1.8 0.18 1.98
J32S1.3 -0.2 1.10 3F5.3 1.4 6.70 3A8.5 3.0 0.85 12.35
J41F0.5 0.0 0.05 0.55  +2T1.3 1.30 3Lz6.0 2.1 0.60 8.70
J51Lz0.6 0.0 0.06 0.66 3Lo5.1 1.4 0.51 7.01  +3Lo5.1 0.51 5.61
 +1Lo0.5 0.05 0.55 3Lz6.0 1.4 0.60 8.00 3Lz6.0 2.1 0.60 8.70
 +1Lo0.5 0.05 0.55 3F5.3 1.4 0.53 7.23 3F5.3 2.1 0.53 7.93
J61A1.1 0.0 0.11 1.21 3S4.4 1.4 0.44 6.24 3S4.4 2.1 0.44 6.94
J71A1.1 0.0 0.11 1.21 2A3.3 1.0 0.33 4.63 2A3.3 1.5 0.33 5.13
 +1T0.4 0.04 0.44  +2Lo1.8 0.18 1.98  +2Lo1.8 0.18 1.98
PCS5項目2.5 x2.0x525.0 5項目7.0 x2.0x570.0 5項目10.0 x2.0x5100.0
Total 点数42.17 144.59 196.60

4級レベルでは、ミスを最小限に抑えれば40点台には乗ってきます。
3Aなしでも7トリプルを全てGOE+2で決めれば140点台に達する計算。男子NvAでもそろそろ3Aが入るようになってきたので、現在の記録(110点台)をはるかに突破する人が出てくるかも。
ジャンプ全て後半で2回の3Aを含む8トリプルを全て完璧に実施した場合でも190点台が限界。

2017-18シーズンから男子Nv-Aは女子と同じ3分となり、ジャンプ2つ(表のJ7のコンビネーション1つ分)がなくなりますので、J7の点を引いた値になります。 なお、1stジャンプにLoも必須になったので3A入りの限界値の場合は単独3Lzを3Loに変更必要で、J7の分も合わせて8.29点減ることになります。


男子ノービスAの点数試算(2018-19シーズン改定後)
男子
Nv-A
4級バッジテスト合格レベル
(PCS=2.50, GOE計-5)
3Aなし、7トリプル
(PCS=7.00, GOE+3)
3A2回、クワドなしでの
理論最大Max値
3分  要素BVGOE後半合計要素BVGOE後半合計要素BVGOE後半合計
step1level11.8 0.00 1.80 level43.9 1.17 5.07 level43.9 1.95 5.85
spin1FCspB1.6 -0.16 1.44 FCsp43.2 0.96 4.16 FCsp43.2 1.60 4.80
spin2CSsp11.9 0.19 2.09 CSsp43.0 0.90 3.90 CSsp43.0 1.50 4.50
spin3CCospB1.7 0.00 1.70 CCosp43.5 1.05 4.55 CCosp43.5 1.75 5.25
J12T1.3 -0.13 1.17 3Lz5.9 1.77 7.7 3A8.0 4.00 12.00
J22Lo1.7 -0.34 1.36  +1Eu0.5 0.50 3Lo4.9 2.45 7.35
J32S1.3 -0.13 1.17  +3S4.3 4.30 3F5.3 2.65 7.95
J41A1.1 0.00 1.10 3F5.3 1.59 6.89 3S4.3 2.15 6.45
J51F0.5 0.05 0.55  +3T4.2 4.20 3A8.0 4.00 0.80 12.80
 +2T1.3 -0.13 0.13 1.30 3Lz5.9 1.77 7.67  +3T4.2 0.42 4.62
 +1Lo0.5 0.05 0.55 2A3.3 0.99 4.29  +2Lo1.7 0.17 1.87
J61Lz0.48 0.05 0.53 3F5.3 1.59 0.53 7.42 3Lz5.9 2.95 0.59 9.44
 -1A0.88 0.00 0.09 0.973Lo4.9 1.47 0.49 6.86  +3Lo4.9 0.49 5.39
PCS5項目2.5 x2.0x525.0 5項目7.0 x2.0x570.0 5項目10.0 x2.0x5100.0
Total 点数40.73 137.48 188.27

4級相当ではジャンプコンビネーションがまるまる1つなくなったのでジャンプの点が減っている。
7トリプルでは+2Lo,+2Lo,+2Tから+1Euへの減少分(約5点)と後半加点の減少が大きく、7点以上減る。3A入りの満点でもジャンプの回数の影響で8点以上減ります。
つまり、男子Nv-Aの点数は2016-17シーズンまでと2017シーズン以降とでは100点オーバーのラインで5点程度は点数の差があることに注意しなければなりません。


・女子ノービスB(5級以上)の場合

女子のNvBは5級以上、Lzまでの5種ダブルが入ってきます。
最高レベルは、5種トリプルを1個ずつ(2A+3Tまでで3+3はない)の想定。理論Maxは3Aなしで計算。

女子ノービスBの点数試算(改定前)
女子
Nv-B
5級バッジテスト合格レベル
(PCS=3.00, GOE計-4)
5トリプル、PCS6.0での最大
GOE=Jump+1, SpinStep+2
3Aなしでの全て満点時
2.5分  要素BVGOE後半合計要素BVGOE後半合計要素BVGOE後半合計
step1ChSq2.0 0.7 2.70 ChSq2.0 1.4 3.40 ChSq2.0 2.1 4.10
spin1FCsp12.3 0.0 2.30 FCsp43.2 1.0 4.20 FCsp43.2 1.5 4.70
spin2Lsp11.5 0.0 1.50 Lsp42.7 1.0 3.70 Lsp42.7 1.5 4.20
spin3CCosp22.5 0.0 2.50 CCosp43.5 1.0 4.50 CCosp43.5 1.5 5.00
J12Lz2.1 -0.6 1.50 2A3.3 3.30 2A3.3 0.33 3.63
 +2T1.3 1.30  +3T4.3 0.7 5.00  +3T4.3 2.1 0.43 6.83
J22F1.9 -0.6 1.30 3S4.4 0.7 5.10  +3Lo5.1 0.51 5.61
J31A1.1 0.0 1.10  +2Lo1.8 1.80 3Lz6.0 2.1 0.60 8.70
 +2T1.3 1.30  +2Lo1.8 1.80  +3Lo5.1 0.51 5.61
 +1Lo0.5 0.50 3Lz6.0 0.7 0.60 7.30 3Lz6.0 2.1 0.60 8.70
J42S1.3 0.0 0.13 1.43 3F5.3 0.7 0.53 6.53 3F5.3 2.1 0.53 7.93
J52Lo1.8 -0.3 0.18 1.68 3Lo5.1 0.7 0.51 6.31 3S4.4 2.1 0.44 6.94
PCS5項目3.0 x1.6x524.0 5項目6.0 x1.6x548.0 5項目10.0 x1.6x580.0
Total 点数43.11 100.94 151.95

Nv-Bでも、女子はジャンプ、スピンの要素がレベルUPしてくるので、男子Nv-Aよりジャンプが2つ少なくても総合点数は普通に40点台に乗せてきます。
3Lzまで入ってPCSが6点出せれば、ジャンプのGOEは+1(spin, stepはGOE+2)でも100点の大台に乗る計算。 NvBでまだ誰も3桁に乗せていないのは、難しいジャンプを入れたうえでGOE+2平均を出すのがいかに難しいかを示している。
3Aなしでの限界(7トリプルで満点)は151.95となります。


女子ノービスBの点数試算(2018-19シーズン改定後)
女子
Nv-B
5級バッジテスト合格レベル
(PCS=3.00, GOE計-5)
5トリプル、PCS6.0での最大
GOE=Jump+1, Spin+2
3Aなしでの全て満点時
2.5分  要素BVGOE後半合計要素BVGOE後半合計要素BVGOE後半合計
step1ChSq3.0 0.50 3.50 ChSq3.0 1.50 4.50 ChSq3.0 2.50 5.50
spin1FCsp12.3 0.00 2.30 FCsp43.2 0.64 3.84 FCsp43.2 1.60 4.80
spin2Lsp11.5 0.00 1.50 Lsp42.7 0.54 3.24 Lsp42.7 1.35 4.05
spin3CCosp22.5 0.00 2.50 CCosp43.5 0.70 4.20 CCosp43.5 1.75 5.25
J12Lz2.1 -0.42 1.68 3Lz5.9 0.59 6.49 3Lz5.9 2.95 8.85
 +2T1.3 1.30 3Lo4.9 0.49 5.39 3F5.3 2.65 7.95
J22F1.8 -0.36 1.44 3F5.3 0.53 5.83 3S4.3 2.15 6.45
J31A1.1 0.00 1.10 2A3.3 0.33 3.63 2A3.3 0.33 3.63
 +2T1.3 1.30  +3T4.2 0.42 0.42 5.04  +3T4.2 0.42 4.62
 +1Lo0.5 0.50 3S4.3 0.43 0.43 5.16  +3Lo4.9 2.45 0.49 7.84
J42S1.3 0.00 0.13 1.43  +2Lo1.7 0.17 1.87 3Lz5.9 2.95 0.59 9.44
J52Lo1.7 -0.34 0.17 1.53  +2Lo1.7 0.17 1.87  +3Lo4.9 0.49 5.39
PCS5項目3.0 x1.6x524.0 5項目6.0 x1.6x548.0 5項目10.0 x1.6x580.0
Total 点数44.08 99.06 153.77

5級レベルでは全体の点数はさほど変わらないが、5トリプル(最高レベル)ではSpinのGOE=+2としたので加点幅が下がっている。以前と同じ点を出すにはGOE+3に上げないといけないのです。
満点では、コレオの点が上がったので後半加点が減っても最大加点で点の上積みが可能。
なお、2020年からNv-Bではジャンプの後半加点がなくなり、1点ほどのロスが出る場合がある。


・女子ノービスA(6級以上)の場合

女子は6級にトリプルは不要なので、2Aがぎりぎり(試合ではGOE-2で1つ入れるのがやっと)のレベルで試算しました。最高レベルは2ndに3Loが入るレベルで、3Aなしの条件で計算。

女子ノービスAの点数試算(改定前)
女子
Nv-A
6級バッジテスト合格レベル
(PCS=3.75, GOE計-5)
7トリプル、GOE+2,
PCS7.0での最大
3Aなしでの全て満点時
3分  要素BVGOE後半合計要素BVGOE後半合計要素BVGOE後半合計
step1level11.8 0.0 1.80 level43.9 1.4 5.30 level43.9 2.1 6.00
spin1FCsp11.9 0.0 1.90 FCsp43.2 1.0 4.20 FCsp43.2 1.5 4.70
spin2Lsp21.9 0.0 1.90 Lsp42.7 1.0 3.70 Lsp42.7 1.5 4.20
spin3CCosp22.6 0.0 2.60 CCosp43.5 1.0 4.50 CCosp43.5 1.5 5.00
J12F1.9 -0.3 1.60 3Lz6.0 1.4 7.40 3Lz6.0 2.1 0.60 8.70
 +2T1.3 1.30  +3Lo5.1 5.10  +3Lo5.1 0.51 5.61
 +2Lo1.8 1.80  +2Lo1.8 1.80  +2Lo1.8 0.18 1.98
J22A3.3 -1.0 2.30 3F5.3 1.4 6.70 3F5.3 2.1 0.53 7.93
J32Lz2.1 -0.3 1.80  +2Lo1.8 1.80  +2Lo1.8 0.18 1.98
J42F1.9 0.0 0.19 2.09 3Lz6.0 1.4 0.60 8.00 3Lz6.0 2.1 0.60 8.70
J52Lo1.8 -0.3 0.18 1.68 3F5.3 1.4 0.53 7.23 3F5.3 2.1 0.53 7.93
 +2T1.3 0.13 1.43 2A3.3 0.33 3.63 2A3.3 0.33 3.63
J62S1.04 0.0 0.10 1.14  +3T4.3 1.4 0.43 6.13  +3T4.3 2.1 0.43 6.83
 -1A0.88 0.09 0.97 3S4.4 1.4 0.44 6.24 3S4.4 2.1 0.44 6.94
PCS5項目3.75 x1.6x530.05項目7.0x1.6x556.05項目10.0 x1.6x580.0
Total 点数54.31 127.73 160.13

Nv-Aルールで1stにLoが必須になったので6級レベルでは2ndに2Loは1回しか使えない。2Aがぎりぎり1回(GOE-2)でGOEの合計-5でも、跳べるダブルを着実に決めれば50点台中盤の点は出せる。

7トリプルでGOE+2、PCS7.00での最大は127点、同じ構成で全て満点では160点が3Aなしでの限界。
NvA女子の記録は110点に接近していますが、これを見ると120点を超えるにはPCSで7点以上を出してこのジャンプ構成でGOE+のノーミスが必要です。
2017-18シーズンからはコンビネーションが2回に減ったので2ndジャンプ1個(+2Lo)の点がなくなり、さらに1stにLo必須なので3Fの一つを3Loに変更必要で、合計2.2点が減ります。


女子ノービスAの点数試算(2018-19シーズン改定後)
女子
Nv-A
6級バッジテスト合格レベル
(PCS=3.75, GOE計-6)
7トリプル、GOE+3,
PCS7.0の場合
3Aなしでの全て満点時
3分  要素BVGOE後半合計要素BVGOE後半合計要素BVGOE後半合計
step1level11.8 0.00 1.80 level43.9 1.17 5.07 level43.9 1.95 5.85
spin1FCsp11.9 0.00 1.90 FCsp43.2 0.96 4.16 FCsp43.2 1.60 4.80
spin2Lsp21.9 0.00 1.90 Lsp42.7 0.81 3.51 Lsp42.7 1.35 4.05
spin3CCosp22.6 0.00 2.60 CCosp43.5 1.05 4.55 CCosp43.5 1.75 5.25
J12F1.8 -0.18 1.62 3Lz5.9 1.77 7.67 3Lz5.9 2.95 8.85
 +2T1.3 1.30  +3Lo4.9 4.90 3F5.3 2.65 7.95
 +2Lo1.7 1.70  +2Lo1.7 1.70 3Lo4.9 2.45 7.35
J22A3.3 -0.66 2.64 3F5.3 1.59 6.89 3S4.3 2.15 6.45
J32S1.3 0.00 1.30 3Lo4.9 1.47 6.37 3Lz5.9 2.95 0.59 9.44
J42Lz2.1 -0.42 1.68 3S4.3 1.29 5.59  +3T4.2 0.42 4.62
J52Lo1.7 0.00 0.17 1.87 2A3.3 0.33 3.63  +2Lo1.7 0.17 1.87
 +2T1.3 0.13 1.43  +3T4.2 1.26 0.42 5.88 2A3.3 0.33 3.63
J62F1.8 -0.18 0.18 1.80 3Lz5.9 1.77 0.59 8.26  +3Lo4.9 2.45 0.49 7.84
PCS5項目3.75 x1.6x530.0 5項目7.0x1.6x556.0 5項目10.0 x1.6x580.0
Total 点数53.54 124.18 157.95

改定後はエレメンツの点数そのものはあまり変わりませんが、2ndジャンプ1個の減少分と後半加点の減少が加算されて数点下がります。
全てが満点の場合は3Lo以上のGOE+5の点が大きいので、低下幅は少し減っています。

GOE加点幅がBVに比例するようになったので、BVの低い2Aには3Loを組み合わせる方が良く、満点構成のように最後の2つをコンビネーションにする方が点が稼げるのですが、「現状の最高レベル」としては最後に3Lz+3T+2Lo, 2A+3Loはノービスとしては難しすぎるので少し緩めています。

なお、改定後はトリプル2種と同時に2Aも繰り返しが可能になりましたが、2ndトリプルが3つ跳べない限りこれが役立つ場面はありません。(1stジャンプにLz,F,Loが必須なので、2Aを2つ入れると1stジャンプに同種トリプル2種は使えない)

トリプルが2種あれば、6回しかないジャンプに2Aを2つ入れる必要がないのです。
(3Lz+2Aseq, 2A+3T+3Tの構成なら2Aも2つ入りますが、+2Aseqは得点が0.8掛けになるので3Lz+2Loのほうが0.24点高く、2Aにすると得点をロスしてしまう)

●ジュニア以上の点数試算

 こちらは、別記事 「カテゴリー別 シングルの得点試算」に記載しました。


   HOMEに戻る